生成AIの現在とこれから~生成AIでどんなことができるの?~
生成AIとは?
生成AIとは、学習済みのデータを活用してオリジナルなコンテンツを生成できるAIのことを指します。
従来のAIとは異なり、与えらえたタスクを遂行するだけではなく新しいデータや情報の生成が目的になります。
近年では、ChatGPTの登場によって誰しもが手軽に利用できる技術としても話題を集めています。
その生成AIにはどのような種類があり、どのように使われているのかをご紹介いたします。
生成AIの種類
生成AIの種類として、以下の4つが挙げられます。
・テキスト生成AI:人間が理解できる自然なテキストを生成するAIです。
活用例:文章の要約、プログラミングコード作成、小説作成。
NTTデータ/生成AIを活用した文章検索・回答生成システム「LITRON® Generative Assistant」
・画像生成AI:人間が指示した通りに画像を生成するAIです。
活用例:商品写真の生成、広告など作成補助、デザイン案作成。
伊藤忠テクノソリューションズ/伝統にかなった陶器デザイン生成AI「NeuCraft(ニュークラフト)」
・動画生成AI:人間が指示した通りに動画を生成するAIです。
活用例:字幕生成、動画加工、VFX
・音声生成AI:入力したテキストを音声に変換するAIです。
活用例:ナレーション作成、翻訳言語の音声変換、自動応答。
TIS/生成AIを利用した高齢者向けのオンラインサービス「大ちゃん」
生成AIの4種類について詳しく紹介いたします。
テキスト生成AI
人間が十分理解できるほど自然なテキストの作成をしてくれるAIになります。
大規模言語モデルと呼ばれるデータセットを用いて学習し、AI自身が文章を生み出せるようにしています。
【活用例】
・文章の要約
・プログラミングコード作成
・外国語翻訳
・NTTデータ/生成AIを活用した文章検索・回答生成システム「LITRON® Generative Assistant」
画像生成AI
人間が指示した通りの画像を作成してくれるAIになります。
主にニューラルネットワークと画像生成モデルを用いて画像を生成します。
【活用例】
・商品写真の生成
・広告など作成補助
・デザイン案作成
・伊藤忠テクノソリューションズ/伝統にかなった陶器デザイン生成AI「NeuCraft(ニュークラフト)」
動画生成AI
人間が入力した指示に対して自動的に動画を作成してくれるAIになります。
現在では15秒~60秒程度の短い動画を、入力テキストから簡単に作成することができます。
【活用例】
・字幕生成
・動画加工
・VFX
・OpenAI/Sora
音声生成AI
テキストを入力すると音声データを作成し、音声として出力してくれるAIになります。
特定の人の音声サンプルを集めて音声生成AIに学習させれば、その人の声を出力することもできます。
【活用例】
・ナレーション作成
・翻訳言語の音声変換
・自動応答
・TIS/生成AIを利用した高齢者向けのオンラインサービス「大ちゃん」
コンサル業界やSIerの取り組み例
生成AIの主な4種類についてご説明しましたが、実際にコンサル業界やSIerがどのようなプロジェクトを行っているかをご紹介します。
【紹介事例】
・NTTデータ:生成AIを活用した文章検索・回答生成システム「LITRON® Generative Assistant」
・伊藤忠テクノソリューションズ:伝統にかなった陶器デザイン生成AI「NeuCraft(ニュークラフト)」
・TIS:生成AIを利用した高齢者向けのオンラインサービス「大ちゃん」
NTTデータ:
生成AIを活用した文章検索・回答生成システム「LITRON® Generative Assistant」
NTTデータは、生成AIを活用した文章検索・回答生成システム「LITRON®Generative Assistant」の新サービスを2024年4月から提供する予定です。
このサービスは、インターネットを経由しない閉域環境でも高精度な生成AIが活用できるという特徴があり、会社の重要情報の流出のリスクを小さくすることができます。
現在、金融商品のレコメンドや患者ごとの治療計画策定、行政サービス窓口の問い合わせ応答など、幅広い分野で適用もされています。
今後も新たなビジネス適用を目指して、他の大規模言語モデルやマルチモーダルAIへの対応などに取り組んでいくと見られます。 このように、生成AIを通した業務支援技術は今非常に需要が高まっており、注目を集めている技術の一つと考えられるのではないでしょうか。
参照:NTTデータ/NTT版LLM tsuzumiと連携したLITRON®の新サービスを提供開始
伊藤忠テクノソリューションズ:
伝統にかなった陶器デザイン生成AI「NeuCraft(ニュークラフト)」
伊藤忠テクノソリューションズは、京都の伝統工芸品の朝日焼の新しいデザインを生成するAIの実証実験を実施しました。
NVIDIA社が開発したStyleGAN2に1000枚もの朝日焼の写真を学習させることで、一見すると学習用に使った元データに迫るような高いクオリティーの生成結果を得ることができました。
また、同記事によると
“psiがデフォルト値をとっているときは、生成物のばらつきは学習データのばらつきに近いと感じられる広がりを持っていますが、これが更に大きな値になると、色も形も現実以上に鮮やかだったり奇抜だったりする結果を生み出すことができます。”
引用:伊藤忠テクノソリューションズ/NeuCraft
という記述がされており、デザインの分野においても適用の可能性があることが示されているとわかります。
TIS:生成AIを利用した高齢者向けのオンラインサービス「大ちゃん」
TISは、大阪府や日本マイクロソフトと共同で生成AIを利用し、「大ちゃん」と呼ばれる犬のキャラクターと関西弁で会話できる高齢者向けのオンラインサービスを始めました。
生成AIを活用することで、回答パターンにバリエーションを持たせることに成功し、チャットボットなどでよく見られた会話が途切れがちという問題を解決しました。
NHK NEWSによると、実際の高齢者の方と大ちゃんとの会話の内容として、
“参加者の男性が13日の天気を聞くと、大ちゃんが「曇り時々晴れ。知らんけど」と答え、男性は「知らんのかい」と笑いながらやりとりをしていました。 ”
”参加した80代の男性は「操作が慣れなかったけれど、人と話しているのと変わらない感覚で、会話はおもしろかったです」と話していました。”
引用:NHK/関西弁で犬のキャラと会話 高齢者向けにAI活用 大阪府
というような記述がされており、標準語以外の言葉も難なく聞き取ってその意味を解釈し、さらに方言できちんと返答するといった高度な会話も可能だということが分かります。
参照:日本経済新聞/大阪府、生成AI活用で高齢者の孤立対策 自治体で初
将来的な展望
生成AIを活用することで、産業や医療、デザインなども含めた非常に広範囲での適用が行われているとわかります。
今後も、企業全体で人手不足や労働量削減などを目指して新たな分野にも応用するために、様々なソリューションの提案やそれを実証実験などが増えていくと思われます。
それに伴い多くの企業たちが業務提携を結ぶことが増え、日本だけではなく世界規模でもこれからの産業の中心技術として存在していくのではないかと考えられます。
生成AIのメリット
・自動化による効率化
・クリエイティブな内容が生成できる
・コスト削減
・多様な言語への適応
生成AIのデメリット
富士誇(フジコ)の見解
ChatGPTなどの台頭を皮切りに、今や我々にとって身近な存在になりつつある生成AIは、今後も幅広い分野での応用や適応が進められていき、多くのキャリアパスが広がっていくと思われます。
その中で、生成AIに関する下記職種の市場価値が高まると考えています。
・ITコンサルタント
生成AI技術の導入には、適切なインフラストラクチャの構築やシステムの統合が必要です。ITコンサルタントは、企業や組織が生成AIを効果的な導入・運用を目指す上で需要を増すと思われます。
・データサイエンティスト
生成AIは大量のデータを必要とします。データの収集、前処理、モデルのトレーニング、評価などを行うデータサイエンティストの需要が増加するでしょう。
・AIエンジニア
自社のニーズに合わせた生成AIの活用方法を見つける上で、様々な助言やサポートの必要性が増していくため、AIコンサルタントの市場価値も高まって行くと考えられます。
少しでも生成AIに関してご興味があり、転職をお考えの方は、コンサルファーム・SIerを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
- PwCコンサルティング合同会社/デジタルイノベーション担当コンサルタント【TDC-G&C】
- 株式会社 日立製作所/生成AIで業務を効率化するAIトランスフォーメーションプロジェクトにおける戦略立案とプロジェクト管理
- 株式会社NTTデータ/【TC&S】生成AIを活用し顧客を成功に導くコンサルタント
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記事作成者:株式会社富士誇 吉田 爽汰