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エッジAIの現在とこれから~IoT製品の普及に向けて~

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エッジAIとは?

引用:Unsplash

エッジAIとは、デバイスやセンサーなどといったエッジデバイス内に直接搭載されたAIのことを指します。

エッジAIは、デバイス自体がデータの収集と解析を行うため、クラウドと端末間をインターネット接続を要するクラウドAIと異なり、リアルタイムでの処理やレスポンスが可能という特徴があります。

IoTデバイスの増加に伴うデータのリアルタイム処理の必要性や、セキュリティ意識の上昇を背景に、現在注目を集めている技術の一つです。

そのエッジAIにはどのような技術があり、どのように使われているのかをご紹介いたします。

エッジAIの構成技術

エッジAIを構成する技術として、以下の4つが挙げられます。

センサー:環境やデバイスからデータを収集する技術です。
 (具体例:カメラ、マイク、加速度センサーなど)

ハードウェア:エッジデバイスにおけるAIアプリケーションの効率的な実装を可能にするデバイス。
 (具体例:Raspberry Pi、Arduino IDE、NVIDIA Jetson)

AIモデル:入力されたデータの解析方法です。
 (具体例:教師あり学習、強化学習、ディープラーニング)

アウトプット:AIモデルが処理した結果を生成する方法です。
 (具体例:データ分類、伊藤忠テクノソリューションズ/NAPPNTTデータ/自動運転TIS/混雑予測

構成技術4つについて詳しく紹介いたします。

センサー

周囲環境やデバイスからデータを収集することにより、温度、湿度、光、音、動きなどの情報を取得し、デバイス内でのリアルタイムな処理や意思決定に活用されます。

【具体例】
・カメラ
・マイク
・加速度センサー

ハードウェア

エッジデバイスにおけるAIアプリケーションの効率的な実装を可能にする技術で、作りたいシステムの機能要件に応じてパフォーマンスや重量、電力などを評価して選定されます。

【具体例】
・Raspberry Pi
・Arduino IDE
・NVIDIA Jetson

AIモデル

入力データの学習からそれの解析を行うモデルで、これによりAIが経験を通じて学習していくことを可能にします。エッジデバイス内では、大規模なAIモデルを利用できないため軽量化されたAIモデルが適用されることが多いです。

【技術例】
・教師あり学習
・強化学習
・ディープラーニング

アウトプット

AIモデルが処理した結果を生成する方法で、開発するAI技術がどんなことに適用されるかによって選定されます。

・データ分類
伊藤忠テクノソリューションズ:NAPP(North America Partnership Program)
NTTデータ:自動運転への適用
TIS:三津浜花火大会での混雑状況の可視化

SIerの取り組み例

エッジAIの4つの主要な技術についてご説明しましたが、実際にSIerがどのようなプロジェクトを行っているかをご紹介します。

【紹介事例】

伊藤忠テクノソリューションズ:NAPP(North America Partnership Program)
NTTデータ:自動運転への適用
TIS:三津浜花火大会での混雑状況の可視化

伊藤忠テクノソリューションズ:NAPP(North America Partnership Program)

伊藤忠テクノソリューションズは、ビジネスの共創につなげる取り組み、NAPP(North America Partnership Program)の一環として、Liquid AI社が開発したLNN(Liquid Neural Network)を用いて、大規模なデータをリアルタイムにエッジで処理できる、エッジAIソリューションの開発を行っています。 この協業では、カメラソリューションや自動運転、ドローン管理などの開発を進めていくと見られます。 また同記事にて、

“一般的な機械学習のモデルでは約10万個のニューロンを必要とする自動運転に関する計算を、LNNでは19個のニューロンで算出し、同等の結果を得ることができます。エッジデバイスや利用者の近くに設置する小型コンピュータで動作するため、これまで膨大な計算コストを必要としていたAIシステム基盤の縮小にもつながり、電力消費量、CO2の排出量の削減を図ることができます。”

引用:  
伊藤忠テクノソリューションズ/Liquid AI社とエッジAIソリューションの開発に向けた協業を開始  

という記述がされており、環境・エネルギー問題においても需要があることが分かります。

NTTデータ:自動運転への適用

NTTデータは、一般道でのレベル4の自動運転の早期実現を目指し、エッジコンピューティングを利用した支援に取り組んでいます。

具体的には、信号機などの制御情報をクラウド経由で自動運転車に送信し、自動運転車単体では検知できない交通環境の認識の補完を行っています。

今後も強化学習を通して、AI自身が道路状況などをもとにした適切な判断が下せるように改良が続けられていくと見られます。

このようにエッジAIは私たちの普段の生活に直接関わるような規模の大きいプロジェクトにもつながっているということがわかります。

参照:
NTTデータ/
AIがAIを制御し、自動運転の実現を加速させる~自動運転の現在地とNTT DATAが描く未来~

TIS:三津浜花火大会での混雑状況の可視化

TISは株式会社愛媛CATVと共同で、AIカメラを用いた三津浜花火大会終了後の会場周辺および最寄り駅までの混雑検知の実証実験を行いました。

AIカメラ(エッジ)が画像解析により滞留人数をカウントすることで、閾値に基づいた混雑状況の可視化に成功しました。

今後は、これらのデータをアプリで可視化・公開することで係員の配置やその適切な誘導方法等、イベント時の安全対策および交通状況の改善に応用できるように、開発を続けていくと見られます。

このようにエッジAIは、身近な機材にも搭載することのできるということからも、私たちの生活インフラの改良にも適用されることがわかります。

参照:
TIS/インテックと愛媛CATV、三津浜花火大会で混雑検知の実証実験を実施
~AIカメラとデータ連携基盤を活用し、検知技術・人流データの有効性を検証~

将来的な展望

エッジAIはIoTデバイスの増加に伴ってどんどんその需要が増加しています。 特にこれからは、データのリアルタイム処理の必要性やセキュリティ意識の上昇も相まって、エッジAIは将来的にさらなる技術発展が見込まれます。

エッジAIのメリット

・リアルタイム処理
・プライバシー保護
・低遅延
・通信量の削減

エッジAIのデメリット

・リソース制約
・アップデートの難しさ
・大規模なシステム構築に向かない

富士誇(フジコ)の見解

エッジAIの発展により、リアルタイムのデータ解析や意思決定が可能になるだけでなく、プライバシーとセキュリティを強化させることができます。
また、デバイス間の連携も強化され、ネットワークの負荷が軽減されるため、その効率性や信頼性も同時に向上させることができます。
このように、よりスマートな社会の実現に向けてもっと研究開発がされていくと考えられます。

その中で、エッジAIに関する下記職種の市場価値が高まると考えています。

・AIエンジニア
エッジデバイス上でのAIモデルの実装や最適化を行うエンジニアの需要が増加すると考えられます。
デバイスの性能やリソース制約に適したモデルを開発し、エッジAIシステムの性能を向上させていく必要があります。

・組み込みシステムエンジニア
エッジデバイス上でのAI処理を実現するための組み込みシステムエンジニアの需要も増えると思われます。
ハードウェアとソフトウェアの最適な組み合わせを設計し、エッジAIシステムの構築を支援が求められます。

・データサイエンティスト
エッジデバイスからのデータ収集や処理に関する知識とスキルを持つデータサイエンティストの需要が増えていくと見られます。
データの前処理や分析を行うことで、エッジAIシステムのパフォーマンスを最適化を行うことが重要です。

少しでもエッジAIに関してご興味があり、転職をお考えの方は、コンサルファーム・SIerを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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記事作成者:株式会社富士誇 吉田 爽汰

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