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【2030年までに世界のGDP185兆円アップ】今知りたいブロックチェーン

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ブロックチェーンとは?

引用:pixabay

ブロックチェーンとは、一言でいうと、「多数の参加者に同一のデータを分散保持させる仕組み」のことです。

ブロックチェーンでは、ネットワーク内で発生した取引の記録を「ブロック」と呼ばれる記録の塊に格納します。
生成されたブロックは、時系列に沿ってどんどんつながっていき、「チェーン」のようなデータ構造をとります。

今回は、ブロックチェーンに用いられる技術や実際の事例を取り上げて、なんとなくの理解から、ブロックチェーンへの解像度をグッとあげていきます。

ブロックチェーンの種類・特徴

ここでは、下記3つについて順番に説明いたします。

 ①ブロックチェーンの種類
 ②ブロックチェーンに用いられる技術例
 ③ブロックチェーンのメリット/デメリット

①ブロックチェーンの種類

一言でブロックチェーンといっても、主に3つの種類があります。

それぞれの特徴は以下の通りです。パブリック型とプライベート型は対になっており、その中間に位置するのがコンソーシアム型です。

参加者管理者データ特徴具体例
パブリック型不特定多数なし公開・管理者が存在しない、自律分散システム
・取引がすべて公開され、透明性が高い
ビットコイン
プライベート型許可制単一組織非公開・秘匿性の高い情報を扱える
・悪意のある参加者を防げる
リップル
コンソーシアム型許可制複数組織非公開・パブリック型より合意形成は速く、
 プライベート型より分散性が高い
・同業他社など複数の組織によって構成される
Liquid Network

②ブロックチェーンに用いられる技術例

ブロックチェーンにも種類があることを説明しましたが、一般的に、ブロックチェーンというと特にパブリック型を指します。

以下、パブリック型を想定して、用いられる技術を紹介します。

P2Pネットワーク:各端末が対等に直接通信すること。Peer to Peer。
ハッシュ:データの特定のための暗号化技術。デジタルデータの指紋。
電子署名:デジタル文書の作成者を証明する署名。
コンセンサスアルゴリズム:不特定多数の参加者の間で正しく合意形成を得るための仕組み。

P2Pネットワーク

P2Pネットワークとは、複数の各端末が対等に直接通信することです。

ここでの「対等」とは、ネットワーク上の端末が等しく同等の機能を持つということ。つまり、システムは特定のサーバー等に集中しておらず、完全に分散されています。

よって、例えば一部のコンピュータがダウンしたとしてもシステム全体は動き続けることができ、ゼロダウンタイム=システム停止時間をゼロにすることが可能です。

ハッシュ

ハッシュとは、データの特定のための暗号化技術です。

新しいブロックには、前のブロックのデータから抽出した固有の集約情報であるハッシュ値を格納します。ハッシュ値は、入力したデータを特定するIDとして機能するため、データの改ざんや破損があれば瞬時に検出できます。

ハッシュ値を「デジタルデータの指紋」と考えるとイメージしやすいかもしれません。私たちが個人の特定を証明するために指紋を使うように、ハッシュ値もデータに対して固有であり、だからこそ特定のデータを証明できます。

また、指紋から顔写真は作ることができないように、ハッシュ値から元のデータを復元することはできません。

電子署名

電子署名とは、電子文書に対する署名のことです。

紙媒体による契約では署名・押印を行うことで取引の安全性を確保してきましたが、これには原本の郵送、保管など必要な業務が多く、非効率です。

この問題を解決するための技術が、電子署名で、紙媒体の署名と同じ効力を持ちます。

この仕組みは、「公開鍵暗号方式」と呼ばれ、文書送信側と受信側が、文書を開く鍵となるハッシュ値を使用することで、電子署名の安全性を担保しています。

コンセンサスアルゴリズム

コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックを生成するためのルールを決定する際に、参加者の間で合意形成を得るための仕組みのことです。

この仕組みが、不特定多数の参加者全員の意見を反映して、正しく合意を形成する設計になっていてこそ、データの真正性が担保されます。

どのようなコンセンサスアルゴリズムを使用するかは、各ブロックチェーンごとに変わってきます。選択するコンセンサスアルゴリズムが、各ブロックチェーンの思想や特徴を表しているともいえます。

③ブロックチェーンのメリット/デメリット

メリット

・優れた改ざん耐性:ハッシュにより改ざんは技術的に不可能
・ゼロダウンタイム:P2Pネットワークによりシステム全体は動き続ける
・取引の透明性が高い:記録は全て公開される

デメリット

・データを隠せない、消せない:誤った情報や個人情報であっても公開される
・51パーセント攻撃:悪意のある参加者が入り込んで合意形成に悪影響を与える
・処理速度が遅い:取引データが巨大化して、1回の取引に10分かかる

SIerの取り組み事例

Slerの取り組み事例を紹介します。

【紹介事例】

NTTデータ×Jリーグ:「TH!NK THE BALL PROJECT」
日立製作所:デジタル環境債の発行に向けた協業
TIS×松竹:「推し活」を支援するNFTスマートコントラクトを開発

NTTデータ×Jリーグ:「TH!NK THE BALL PROJECT」

2023年NTTグループとJリーグは、気候変動への対応を進めるとともに地域活性化をめざす「TH!NK THE BALL PROJECT」の第一弾として、スマホアプリ「TH!NK THE BALL by fowald」を用いた、ファン・サポーター参加型の気候アクショントライアルを開始しました。

具体的には、アプリ内で、サポーターによる、気候変動問題の解決につながる行動を記録して、その行動量に応じてクラブからのお礼や活動証明を獲得できます。
この返礼品は、NFTとして発行してトライアル参加者に提供します。

このプラットフォームの基盤に、「BlockTrace」というNTTデータが提供するブロックチェーンを活用したDXソリューションを使用しています。
ブロックチェーンプラットフォーム上に、適用シーンに応じたアプリケーションを構築・提供する技術です。

参照:
NTTデータ/NTTグループとJリーグが、スマホアプリ「TH!NK THE BALL by fowald」を用いて、ファン・サポーター参加型の気候アクショントライアルを開始
NTTデータ/ブロックチェーン技術を活用したDX推進ソリューション“BlockTrace®”を提供開始

日立製作所:デジタル環境債の発行に向けた協業

2023年日立製作所は、株式会社JPX総研、野村證券株式会社、株式会社BOOSTRYと、デジタル環境債の発行に向けた協業を行うことを発表しました。

デジタル環境債とは、デジタル技術を活用して、グリーン投資に関連したデータの透明性の向上やデータ収集の効率化をめざす債券のことで、日立製作所がこれを発行します。

コンソーシアム型ブロックチェーンネットワーク「ibet for Fin」を用いて発行・管理を行い、発行から期中管理、償還までの業務プロセスを電子的方法により完結させることをゴールとしています。

これによって、投資家がいつでも資金使途についてモニタリングすることが可能になり、年次のレポーティングだけではない高い透明性が実現されます。

参照:
株式会社日立製作所/日立によるデジタル環境債の発行に向けた協業について

TIS×松竹:「推し活」を支援するNFTスマートコントラクトを開発

2023年TISは、松竹と共同で、バレンタインデーチョコレートNFT配布のスマートコントラクトを開発しました。

これは、松竹が展開する、音楽と手紙で紡ぐ二次元アイドルプロジェクト『Prince Letter(s)! フロムアイドル』のバレンタインキャンペーンとして開発されました。

具体的には、キャンペーン中に商品を購入したユーザーに対して、好きなアイドルにデジタルバレンタインチョコレートを贈った記念をNFTとして提供するサービスです。
また、同NFT保有者は、ホワイトデーである3月14日以降にそのアイドルからのメッセージを含むデジタルコンテンツを限定で閲覧できるようになります。

つまり、このサービスは、世界で唯一のデジタルチョコの持ち主であることを証明するNFTであり、「推し活」にブロックチェーンの技術が活用された実例です。

参照:
TIS/TIS、ブロックチェーン技術で松竹の「推し活」を支援するNFTスマートコントラクトを開発

富士誇(フジコ)の見解

ブロックチェーンは、インターネット以来の技術革新といわれるように、デジタル化、自律分散化を実現する画期的な技術です。

この技術は、将来Web3.0の世界観のインフラとして、社会にとってインターネットのように当たり前で、かつ必要不可欠なものになっていくでしょう。

それに伴い、下記の職種の市場価値が高まると考えられます。

・ブロックチェーンエンジニア
 独自のブロックチェーン基盤の開発にとどまらず、その基盤を活用したアプリケーションやペイメントサービスの開発など、 高い専門性が求められる。

・コンサルタント
 ブロックチェーンに興味のある企業に対して、ブロックチェーンでは具体的に何ができて、事業に合わせてどのような価値を生み出せるのか提案・実行が求められる。
 また、制度面の整備に関して専門的な知識を持った人材として需要が高まる。

少しでもブロックチェーンに関してご興味があり、転職をお考えの方は、コンサルファーム・SIerを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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記事作成者:株式会社富士誇 海野 愉里

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