データサイエンティストとは
「データサイエンティスト業界」がどのような業界であるのかについてご紹介します。
コンサルティングというお仕事は知名度を上げてきて、ご存じの方が増えてきたのではないでしょうか。しかし「データサイエンティスト業界」は混同されて認識されることが多い一方、まだまだ実態が掴めないのが大衆の意識だと思います。しかし、今後の世の中で必須のお仕事だと言え、非常にハイレベルな環境だと言えます。その名の通り「データ」を扱って専門的な企業の課題解決に尽力していくお仕事なのですね。
今回の記事では、そんな「データサイエンティスト業界」の全貌や特徴についてお話を進めていきたいと思います。
データサイエンティストの仕事内容
「データサイエンティスト業界」の全体像についてまずはお話をしていきます。これを知ることで、一気に仕事への理解が進みます。カタカナがついて仰々しいイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、意外に仕事内容自体はシンプル。
いわゆるアルゴリズムや各種統計などのデータを分析、ご自身の解釈で企業の現状や課題などを演繹的に捻出される仕事だと言えますね。「イスト」とはその仕事に携わる人のことを指しますが、すなわち「データサイエンス」に携わる人を「データサイエンティスト」と定義付けされている訳です。
つまりビジネスの現場で起こり得る課題に対して答え、方向性を示すプロフェッショナル職と定義づけできますね。コンサルタントなんかも自身の見地を使って外部から進言をしますので、役割的にも重複する点が多いのですが、「データサイエンティスト」は統計学や数字の論理に伴って意思決定をするという特徴があります。もちろん数字が絶対に正しいとは限りません。
しかし、コンサルタントと違ってエビデンスに基づいた意思決定が行われるのでその分の信憑性も担保されます。まさに一長一短ですね。データサイエンスは今後の世の中においてますます台頭をしてきますし、私たちの生活にも深く根づいています。特にビッグデータの導入などは特筆すべきでしょうね。「人物金」と言われてきた経営資源に、昨今では「情報」が追加されるほど重要な経営資源となってきています。オンラインなどの影響で多くの人に対してマーケティングや販促、商売を行う必要。行えるチャンスが到来しています。そんななか、より多くの母数のデータを扱うことが情報戦を制して良い商売を行うことに繋がるのです。
また、多くの会社がデータの力を駆使して生産性を上げることを目指しています。進化する現代に非常にフィットしたお仕事だと言え、今後の世の中でますます存在感が高まっていくことから、需要と成長が見込める、転職者の方にもオススメの業界となってきます。
データサイエンティストの具体的な実務内容は?
ここからはデータサイエンティストの具体的な実務の内容についてご紹介していきたいと思います。
データサイエンティストの業務なのですが、基本的な課題解決のやり方はコンサルタントと近いです。というか、問題解決を合理的に体系化させるとコンサルタント的に収斂してしまうのですね。現状分析→打ち手の検討→実効性検証→実効→フィードバックといった流れは基本的に変わりません。これを大まかな流れにすると分析企画→アプローチ設計とデータ収集→データ解析→業務への組み込み→業務評価と改善といった形になりますね。
大量の蓄積データを分析、解析結果を「活用」することがデータサイエンティストの主な仕事内容です。ビッグデータ分析というところにフォーカスされがちですが、あくまでも現場判断に従ってビジネスへの貢献を図ることが主眼となります。
「データの分析から解析について」ですが、ここに勘所があると言っても過言ではありません。企業が抱えている経営課題について、情報を集めます。顧客となる会社とのヒアリング・あるいは定量的なデータを確認し、それらをITの力で細かく分析していくのです。場合によってはエクセルを使用して統計をとったりすることもあれば、より高度の計数ソフトなどを用いて、数値を検証しつくします。対象となる顧客のデータは勿論、競合他社の状況や、外部環境などありとあらゆるデータを広い視野で検証する必要があるため、専門的な知識や数字に対する適性が求められるのです。
そして最終盤に肝となってくる「業務への組み込み」ですが、こちらは企業の生産性向上に寄与するにあたって重要なフェーズになってきます(重要でない仕事なんぞないですが)。
例えばプログラミングを導入してあげる、ITのノウハウを企業に入れ込む、などなどまさにデータを使って課題解決に尽力するのです。
その前提にはコンサルタント的な、問題解決のフレームワークによる「現状分析」と「課題の特定」が必要になってくるのですが、そこで炙り出された課題に対してのアプローチがデータの力を使ったものになるという点で、データサイエンティストは貴重です。
昨今の時世を見ても、データの重要性が上がってきていることは言うまでもありません。さらに日本の各企業は旧態依然の古い働き方に固執しているケースが多く、そういった弱点を外部から補ってあげるという働きは非常に大きな付加価値をもたらします。
正直、データの重要性については今更私から言う必要すらないかと思いますが、やはり重要になってきます。
データサイエンティストの業界で働くにはどんな資格やスキルがあると有利?
データサイエンティストとして働くには、どのような資格があると有利なのでしょうか。転職などを考えておられる方にとって、こちらは非常に重要な問題となってくるでしょう。
なぜならば、データサイエンティストは一定の専門性を要し、世の中が急務で取り組むべき仕事を扱っておられるという点で、即戦力が求められる業界と言えるからです。翻って言うと、即戦力でさえあれば活躍しやすい、実力主義のわかりやい業界体質だとも言えますね。
資格としてはまず、「基本情報処理技術者試験/応用情報技術者試験は忘れられません。こちらは全てのデータサイエンティストに有利に働く資格で、必要なカードであると言えるでしょう。なぜならばこれらの資格は、IT系資格でも唯一の国家資格で、情報処理の基礎理論、プロジェクトマネジメント、データベースなど幅広い知識を問われるため、相当な知識を示す資格になる訳です。特に応用技術者試験は相当ハイレベルな知識になってきますので、まずは「基本」の方から取得をしましょう。
他にも「OSS-DB技術者認定試験」という資格もあります。こちらはデータサイエンティストに必要なデータベースの設計、開発、運用などの技術が備わっているかどうかを判断できる資格になってきます。どちらも取得に対して、なかなかハードルも高いですが、さらにキャリアアップを目指す転職者の方にはこれ以上ないリターンをもたらす資格だと言えますね。
スキルとしてはこのような「計数スキル」「コンサルティングスキル」「ITのスキル」など、幅広い知識がいります。
データサイエンティストとしての働き方
データサイエンティストの方は色々な働き方があります。まずはデータ分析会社で働くケースです。データ分析会社で働く場合、クライアントからの依頼をうけてのデータ分析や分析基盤の構築、機械学習を利用したサービスの開発に携わったりする事が大半です。
会社によって特色があり、ビッグデータ解析や分析基盤の構築を得意とするところもあれば機械学習を用いたサービスの開発などがあり、それによって必要とされるスキルや重要性が変わってきます。
データ分析会社では当然ながらデータサイエンティストの仕事が会社の価値に直結するため、データサイエンティストとして知識経験の豊富な人が周囲にいる点も特徴的です。あるいはコンサルティング会社で働くケースもありますね。
一方で、コンサルティング会社のケースはデータ分析の一本柱ではありません。そのためコードを書いたりする極めて専門的な仕事はそれほど多くないため、高度なコンピュータサイエンスの知識はあまり必要とされない傾向にあります。
しかし、コンサルタント業務も併せて行うケースがあり、コンサルタント的なスキルが強みとなります。
データサイエンティストとしての市場感と需要
前提として、データサイエンティストの需要は今後ますます高まっていくことが推定されます。これは先ほどまで述べてきた内容と重複していますが、改めて詳しく。やはりどんな業種においてもデータの知識は今後必須になっていきますし、働き方が後進的な旧態依然の日本の企業ではその導入がまだまだ遅れているという現実があります。そうしたところからのニーズは高まっていく一方でしょう。働き方改革や生産性の向上が叫ばれる中で、需要は固いと考えられます。
しかし、データ分析の仕事と言えば、逆にAIやビッグデータにマンパワーを奪われる危惧がある方も多いかもしれません。
ですが、私見で言うと、マンパワーは完全には略奪されません。
分析したデータをどのようにビジネスに活かすのか、といったデータの活用・意思決定は人間のクリエイティブさが必要になるからです。AIでもある程度の活用はできるかもしれませんが、人間以上のデータの活用は難しいと言えるでしょう。データを分析するだけのアナリスト的なデータサイエンティストは、AIに代替可能になるかもしれませんが、全ては奪われませんね。これからのデータサイエンティストは、アナリストとしてではなく、コンサルタントやエンジニアとしてのデータサイエンティストになることが生き残る道です。
これを踏まえると、まだまだ伸び城の多い業界だと言えるでしょう。
まとめ
ここまで「データサイエンティスト業界」についての全体像と、具体的な業務内容などについてお話をしてきました。ご自身のキャリアビジョンの拡大に繋がるよう、イメージを膨らませていますと幸いです。