ITコンサル中途マネージャーの転職理由や仕事内容

新卒でシステム開発を請け負う企業に入社後、SIerとして約15年勤務し、複数のプロジェクトでPMも経験。ステップアップを目指してコンサルファームに転職し、ITコンサルタントのマネージャーとして主にシステム導入のプランニングや全体管理を担当している。

元々は15年ほど同じSIerの会社に勤務していました。開発やテストの担当者としてスタートし、経験を重ねていくうちにシステム開発案件のPMを任されるまでになりました。

PMは開発チームをまとめながらデリバリーを成功に導く立場で責任重大でしたが、技術者としてシステム開発が好きでしたし、スケジュール通りに全ての課題を解決してリリースを向かえることができた時はやりがいを感じられました。

一方で、会社として請け負うシステムや言語が限定されており、一つのプロジェクトが終わってもまた同じようなプロジェクトを担当することが多く、新鮮さを感じなくなっていきました。

会社の外に目を向けると、日々次々と新しいソリューションやテクノロジーが出てきているので、会社の利益や方針に囚われずに色々な選択肢を取れるようになりたいと思い、転職を決めました。

転職のきっかけでお話した通り、クライアントの課題を解決するために自社の利害関係に関わらず公平な立場から最適な解決策を提示できるようになりたいと思っていました。

ITを専門としていたので、同業の会社を検討しててみましたが、自社で製品を提供しているようなIT系の企業や事業会社のシステム子会社では今までと同じように特定のソリューションに限られてしまうように感じていました。

色々な業界を見ていく中で、コンサル業界ではここ最近ITの部門が新設されたり増員されたりしていることを知りました。

少数精鋭が集まって企業課題を解決していく敷居の高い業界だと思っていましたが、調べていくうちに多くの企業がITやデジタルの活用を主軸として経営方針を考える時代になってきたため、コンサル業界もITの専門家を必要としているようでした。

SIerとしてのバックグラウンドを活かしながら、企業課題に対して様々な改善策を提示できるのではと思い、ITコンサルタントとして活躍できるコンサルファームを中心に転職活動を続け、今の会社に転職することができました。

クライアントの課題や悩みを聞いた上で、フラットな立場から助言することができる点や、IT戦略が企業経営に直接影響を与えることが感じられる点にやりがいを感じています。

業務上の課題を聞いた上で、システムとしてどのように改善できるかをプランニングする仕事が多いのですが、SIerとして早めの段階で対応の規模や難易度が想定できるので、色々な方から意見を求められることもやりがいに繋がっていますね。

前職では趣味の範囲でしか調べられなかった他社のシステム製品やサービス、最先端の技術なども、実際に開発元ベンダーの方にヒアリングしたり資料をもらったりして情報を集められるので、楽しく仕事ができています。

マネージャーになると人やお金の管理といった仕事も始まりますが、まだまだ進行中のプロジェクトに注力していることがほとんどです。

チームリーダーとして進捗や品質に責任を持ち、マネージャー未満のメンバーへの指示出しや成果物のレビューを行っています。メンバーのアサイン調整や労働管理、ファイナンス管理、社内の上席への報告なども担当します。

プロジェクト外の仕事としては、徐々に新しい案件の獲得に向けた提案などのセールス活動を行うことが増えていきます。特に、進行中の案件を行っているクライアントに対して、人員の追加や新しいプロジェクトへの参画などを交渉し、契約を取ってくることもあります。

最近は働き方改革の流れでマネージャー未満のメンバーが長時間働くことが難しいので、忙しい時期は溢れた作業を引き受けることもあり、負荷が高い状態のマネージャーが増えているみたいです。

ただ、チーム全体の仕事量の調整もマネージャーのスキルが試される場面です。進捗に影響があるような課題を早めに検知して対策したり、クライアントと契約に基づいたタスクの調整をしたりできるようなマネージャーが今後必要とされてくると思います。

案件を任せられてチームの成果物に責任を持つ点は同じです。しかし、コンサルの方が、配下メンバーの特性や希望が多岐に渡ることが多いので、一人ひとりに適したマネジメントが必要と感じています。

また、PMの時は進行中の案件に集中できましたが、コンサルになると次の案件に向けたセールスやファイナンスの管理なども行わなければいけないので、やることの幅も広く正直大変になったなと思います。

別案件の提案が入ってくると、全く知識のない領域がターゲットになることも結構あるので、勉強しながらも専門家のように振る舞う必要もありますね。

シニアマネージャーは、現場の案件よりもセールス活動に比重を置くことが多くなります。既存クライアントでの増員はマネージャーに任せて、さらに職位が上のパートナーと一緒に新規クライアントの開拓やあたらしいソリューションの提案などをすることが増えます。

マネージャーが配下メンバーの分も合わせて持ってきた成果物のレビューなども行います。その他にも、組織作りやリクルート活動などを担当することも増えてきますね。

コンサル会社では採用面接の面接官を人事担当者ではなく現場のコンサルタントが担当することが多いので、実際の面接に出向くこともあります。

マネージャーから残業代はなくなるので、働いた時間に関わらず固定の年俸で約1,000万からスタートします。毎年昇給があり、マネージャーのままであっても1年で100万円の単位で増えていくこともあるので、何年目かによって数百万の違いが出てきます。ですので、マネージャー3年目にもなると1,300万前後もらえる人もいますね。

さらに、固定給に加えて会社の業績と本人の成果によってボーナスも支給されます。そうするとトータルの年収は1,000万から1,500万くらいのイメージです。

次のシニアマネージャーに昇進すると固定年俸が1,500万前後で始まるようですが、その年の会社の業績や本人の評価によっても変わってくるかもしれません。

新卒入社していると20代でマネージャー、30代前半でシニアマネージャーになる人もいるので、同年代と比べるとかなり高い給料をもらっていると思います。

社内でも、よりテクノロジーの知識や技術に特化した人と、セールスやクライアントリレーションを強化していく人に分かれていく傾向があります。

新しい技術や先行事例を学びながら最適なソリューションの提案をすることが転職のきっかけでもあり、今もこの仕事を続けるモチベーションになっているので、そういったスキルをさらに磨いていきたいです。

かといって、やはりマネージャー以上になるとセールスをあげていかないといけないので、現実的で実現性のある提案を心がけることでしっかりと案件も獲得していきたいと思います。

SIer出身の方は、実際に手を動かす開発そのものが好きな方や細かい部分に目が向く方が多いと思いますが、コンサルになると課題解決のための手段はテクノロジーの活用から業務や組織自体の改革まで色々な選択肢があります。

テクノロジーの知識が必要な場面は多いので、そこはうまく活かしながら、より課題を多角的に捉える力を身に着けてほしいと思います。

また、転職後の1～2年ほどは自分がやりたいことよりもできることを重視した方が良いと思います。日々新しいプロジェクトが立ち上がるコンサルファームでは、職位に関係なく色々な分野で経験や知識のある人を求めているので、前職の経験をベースに仕事を選ぶと早く成果が出せてなじみやすいです。

また、特にコンサルファームに新卒入社している方などは昇進も早いので、年下の上司に出会うことも多いですが、今までの課題整理や資料作りなどのやり方は一から学ぶ姿勢でいると、人間関係もうまくいきます。

SIer出身でコンサルに転身した方も多く、事業会社出身の業務知識があるメンバーとタッグを組んだりしながら活躍していますよ。