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コンサルティングファーム転職

1.コンサルティングとは

「コンサルティング」とは、クライアントである企業、行政、公共機関などが抱える経営上の課題を明らかにし、その課題に対し解決策を提案し、アドバイスを行う業務をいい、この業務を行う企業を「コンサルティング会社」、「コンサルティングファーム」と呼びます。解決策を提案するだけでなく、クライアントの現場にて解決策の実行に深く関わり、時には経営陣に代わりかじ取りを行うケースも少なくありません。コンサルティングファームにとってはこれらのコンサルティング行為が商品といえ、それらに対してクライアントから報酬を受けます。 


2.コンサルティングファームの分類

コンサルティングファームは「外資系」、「日系」に大別され、中でも分野別に以下のように分類することができます。

戦略系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファーム
IT系コンサルティングファーム
シンクタンク系コンサルティングファーム
財務系コンサルティングファーム
人事系コンサルティングファーム
企業再生系コンサルティングファーム
国内独立系コンサルティングファーム

戦略系コンサルティングファーム

企業の経営戦略の立案、M&Aのサポート、海外への新規参入戦略など、マネジメントレベルに深く関わるのが戦略系コンサルティングファームです。主なクライアントは外資系、日系の大手企業で、時には戦略の実行支援まで深く関わります。戦略系コンサルティングファームのうち、トップ3社であるマッキンゼー、ボストン コンサルティング、ベインのことを、頭文字をとって「MBB」と総称します。

戦略系コンサルティングファームが手掛けた代表的事例

日本の高品質スキンケア製品を中南米へ

高品質・高ブランド力をあわせもつ日本のスキンケアメーカーが、アジア市場、欧州市場に続き成長著しい中南米市場への参入を検討し、販売ブランド・価格帯・販売チャンネルなどの販売戦略策定の支援を戦略系コンサルティングファームに依頼しました。中南米チームと東京のシニアリーダーシップとでプロジェクトチームを立ち上げ、現地での調査・分析を行った結果、同メーカーが抱えるブランドの中から適するブランドを選定、さらに財務予測や現地での人事案を提供することで、中南米市場参入を後押ししました。参入後、同市場での販売は堅調な伸びを見せ、同メーカー全体の利益の拡大に貢献しています。

ヘルスケアデータを用いた地域の産業振興

コロナ禍においてますます重要となってきたヘルスケア領域において、コンサルティングファームが持つデジタル技術を活用することにより、医療分野のみならず生活全般の領域において産業振興をはかる取り組みが、自治体・地域の大学とコンサルティングファームがコンソーシアムを組んで行われています。地域に長年にわたり蓄積された健診などのヘルスケアデータを、地域住民から同意を得た上で、生活習慣病の解消や創薬、保険や医療機器の開発へ活用することが検討されています。例えば医師により病名の表記が異なるデータなどの標準化をはかった上で、コンサルティングファームが持つデジタル技術を活用して将来の疾病予測のツールを開発するなど、本地域でのデータ活用をモデルケースとして日本全体の産業振興へつなげたい考えです。

総合系コンサルティングファーム

クライアント企業から多岐に渡る相談を受け、その企業が抱える課題を見つけて解決策を探り、実行まで担うのが総合系コンサルティングファームです。「Big4」と呼ばれる世界4大会計事務所(デロイト トウシュ トーマツ、アーンスト・アンド・ヤング、KPMG、プライスウォーターハウスクーパース)を母体としたコンサルティングファームが中核をしめています。扱う分野が多岐に渡るため、業界別、機能別チームに分かれており、プロジェクトごとにチームが組み合わされ、案件を扱っていきます。業界別 → 金融、製造業、通信、エネルギー、公共機関など
機能別 → 戦略、会計、人事組織、SCMなど

総合系コンサルティングファームが手掛けた代表的事例

ものづくり企業の戦略的DXサポート拠点を開設

DX化、工場のスマート化に踏み出せないものづくり企業への支援を目的とした推進拠点を、総合系コンサルティングファームが産学連携で開設しました。製造現場で実際に使われる機械などを使ったデモンストレーションやワークショップを行い、実践的な知識や体験を得られるイノベーションスペースを提供し、ものづくりDXの推進による企業改革や新ビジネス創出への貢献をすすめています。

伝統工芸品の模倣品対策をデジタルトレーサビリティサービスの導入で支援

模倣技術が高度化しつつある伝統工芸品において、コンサルティングファームが持つITを活用したデジタルトレーサビリティの仕組みが導入されています。独自開発の微粒子でできたタグを製品につけることで、製品の真贋を判定するだけでなく、製品の位置情報などの履歴をスマートフォンからでも追跡することができるこのサービスは、偽造防止だけでなく国内外でのブランド価値向上への貢献も期待されています。

IT系コンサルティングファーム

IT戦略、ERP*のシステム導入など、ITを切り口としてクライアントが抱える課題を明らかにし、解決・提案を行うことに強みをもつコンサルティングファームのことです。ITは現代において欠くことのできない分野であり、IT系コンサルティングファームは高度なプロジェクトを手がけるだけでなく、戦略・提案を行うところも出てきています。
ERP = Enterprise Resource Planningの略。企業資源計画。ヒト、モノ、カネ、情報などの経営資源をどのように配分していくか計画すること

IT系コンサルティングファームが手掛けた代表的事例

組織風土改革の推進を目的としたサーベイをプロジェクト開始から2カ月で実施

コロナ禍におけるワーキングスタイルの変化や主要顧客である業界の変化によって、社内での従業員間コミュニケーションに問題を抱えていたクライアントに対し、コンサルティングからシステム構築までの支援をIT系コンサルティングファームが行いました。既存のサーベイを採用し設問などを選定の上、プロジェクト開始から2カ月でサーベイを開始することができました。スマホからの回答も可能にすることで社内から幅広く回答を集めることに成功。結果、従業員のモチベーションやキャリアに関する課題が顕在化し、推奨したアクションプランを元に改革が進められています。

AIと人の意思を融合した需給予測で「未来予測型の経営判断」へ

在庫の欠品や過剰在庫など、需給コントロールに課題があり迅速な経営判断に困難をきたしていた製造小売業者に対し、需給の可視化とPDCAサイクルの高度化の支援を行いました。コンサルティングファームが持つAIを活用した経営判断支援ソリューションを用いることで、目標に対する進捗状況の表示、需要の予測、適切なアクションの提示だけでなく、現場の意思を反映した際のシミュレーションを可能にしました。この結果、欠品による売り逃しと廃棄ロスの削減に貢献しました。

シンクタンク系コンサルティングファーム

元来シンクタンクとは、様々な分野の調査・研究を行い、政策の立案・提言を行う研究機関を指しますが、近年では民間企業に対してコンサルティングを行うシンクタンクが増えてきました。金融機関、電気メーカーなど母体は多岐に渡り、それぞれの強みを生かして企業の経営課題に対し提言を行っています。

シンクタンク系コンサルティングファームが手掛けた代表的事例

スポーツを通じて地域に変化を起こす

スポーツを通じた地域での社会問題の解決に、コンサルティングファームがスポーツ連盟と共に取り組んでいます。自社で培った、スポーツ施設などの事業化を支援するコンサルティングノウハウを活用し、グラウンド整備や地域経済の活性化など、まちづくりとしての価値向上を目指し、活動の支援を行っています。

不動産情報の共有におけるブロックチェーン技術の活用

不動産業界において、1つの物件に対し多数の不動産会社が情報を共有し、中には売約済データが残り続けるといった問題が存在する中、シンクタンク系コンサルティングファームが不動産情報総合サイト運営会社、他数社と共にコンソーシアムを立ち上げました。不動産情報の問題点の洗い出し、不動産業界を横断した情報の共有化や履歴データの管理など、ビジネスとテクノロジーの両面での支援を行い、情報の一元管理やエンドユーザーへの正確な情報の提供を目指しています。

財務系コンサルティングファーム

企業の財務・会計分野に焦点をあて、資金調達や投資戦略、M&Aプロジェクトなどへの提言を強みとしているのが財務系コンサルティングファームです。近年では国境をまたいだいわゆる「クロスボーダーM&A」の案件も多く、日夜変化する金融情勢や国際情勢に敏感であることが求められます。

財務系コンサルティングファームが手掛けた代表的事例

グローバルファームの強みを生かしメーカーのコスト削減を実現

アジアにおいて国ごとに異なるサプライチェーン管理に問題を抱えていたグローバル化学品メーカーに対し、調達機能・サプライチェーンの集約の支援を行いました。クライアントのアジア地域全体での物流・サプライチェーン組織、運用システムの把握など、コンサルティング部門単独でなく他国のメンバーとプロジェクトチームを組むことで、国ごとに異なる税制や法規制へ対応し、調達コスト削減やオペレーショナルコスト低減に導きました。

全社に渡るリスクマネージメントシステムの導入を支援

全世界で100を超える拠点を持つ日系グローバルメーカーであるクライアント企業に対し、全社統一のグローバルリスクマネージメントシステムの導入を支援しました。プロジェクトチーム一丸となり、中長期的なブランド毀損や消費者動向の変化の要因を探り、解決策を検討することで、環境変化による経営リスクの迅速な把握を可能にするトップダウンアプローチの手法を用い、戦略的リスク管理を可能としました。

人事系コンサルティングファーム

人事系コンサルティングファームは、クライアントの人と組織に関する課題を見つけ、提言を行うことを専門とするコンサルティングファームです。人事系コンサルティングファームの扱う分野は主に3つに分けられます。

人事・組織領域

給与制度や評価制度などの人事における各種制度や、福利厚生制度の見直しを行います。離職率の高い企業に対して給与や評価の制度の提言を行い、年俸制や成果主義での給与制度の導入の提案や、確定拠出年金の導入など福利厚生分野に渡る提言を行うこともあります。

教育・研修領域

新入社員に対する研修のみならず、経営陣を含む従業員全体の能力の向上や意識改革を促し、組織の活性化をはかります。従業員の年次や役職に応じて、技術研修、マネジメント研修、営業研修などの導入の提言を行います。

人事システム領域

企業の海外進出やM&Aなどによる従業員の多国籍化により、人事システムの再編などを提言します。

企業再生系コンサルティングファーム

長期のデフレ、為替リスクや業績の悪化による資金不足などに陥った企業に対し、企業内部まで入り込んでの経営戦略の立案、時には経営権を取得して再生支援を行います。リヴァンプが行ったロッテリアの再建は、コンサルティングファームによる再生案件として有名なものの一つに数えられます。

国内独立系コンサルティングファーム

銀行や会計事務所などを母体としない独立系のコンサルティングファームで、主に中堅・中小企業を対象に実践的なコンサルティングを行います。全国各地に事務所を構え、各地域に根付いたコンサルティングを行うのが特徴です。

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